*朽ち果てた兵器の中で:POLAND

harugaminatu092010-04-12

:本編撮影休日、ワルシャワ郊外の旧庭園に出かけた。半日歩き回って帰りはバスで帰ろうと幾重にも重なった路線図を眺め、とりあえず市中心部に向かう路線を見つけてそれに乗った。大きな建物も無い静かな郊外の住宅地をぼっ〜と眺めていると、道脇に小さな戦車が置いてあるのが目に入り、気になって次のバス停で降り歩いて戻ってみた。そこは木々に囲まれたベンチの在る小さな公園のようで、戦車が児童公園の遊戯施設のように置いてあった。その先にはバスからでは気が付かなかった長い塀に囲まれた施設があり、入り口には誰も居らず、料金表などの掲示も無かったのでそのまま入ると数十台の戦車・装甲車がズラッと並んでいた。さらに奥の広大な敷地には社会主義体制下・旧ポーランド軍ソビエト製戦闘機・自走砲・ヘリなどが、囲いも無く並べられ、さらに奥に進むと人目を避けるようにフェンスに囲まれた小高い場所に、まるで車のスクラップ置き場のごとくあらゆる種類(装甲車・弾頭・水陸艇・・・)の老兵が互いの錆を見つめあいながら佇んでいた。入り口横から続く防空壕風建物は『カティンの森』から掘り出されたポーランド兵士達の遺品が展示された記念館で、その土にまみれた軍服やちぎれた写真などと、外に放置された錆び付いた兵器たちが記憶の中で重なっていた。
*おりしも昨日のニュースは『カティンの森事件』の慰霊式典に向かったポーランド大統領・兵士遺族らの乗った専用機が墜落し全員死亡という報道を流していた・・・・